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なぜ僕は「売上より先に理念を語る」のか|数字だけでは動かない組織の話

代表・メンバーブログ高井 律明
なぜ僕は「売上より先に理念を語る」のか|数字だけでは動かない組織の話

こんにちは。株式会社KABUWAKE代表の高井律明です。今日は、経営者として少し踏み込んだ話をさせてください。「社長ってなんで毎回、理念とかビジョンとか語りたがるんやろ」と思っている方も、きっといると思います。正直、僕自身もかつてはそう感じていた人間です。でも今は、売上や数字より先に理念を語ることが、組織を動かすうえで絶対に必要だと確信しています。その理由を、今日は書かせてください。

数字だけで動く組織は、脆い

経営者として当然、売上は大事です。利益がなければ従業員に給料を払えないし、お店を続けることも、新しいことに挑戦することもできない。数字は、事業の血液みたいなものです。

でも、数字だけを前に出して組織を動かそうとすると、どこかで限界が来る。これは、肌感覚でずっと感じてきたことです。「今月の売上目標は〇〇万円」「客単価をもっと上げろ」——そういう言葉だけをかけ続けると、スタッフは何のために働いているのか、分からなくなっていく。数字を追うことが目的になって、目の前のお客様や仲間への気持ちが、どんどん薄れていってしまう。

脆い、というのはそういう意味です。目標を達成したら燃え尽きる。達成できなければ落ち込んで辞めていく。数字にしか根っこを張っていない組織は、環境が少し変わっただけで、簡単に揺らいでしまう。

「なぜ働くのか」が分かると、人は自分で考え始める

KABUWAKEが掲げているVISIONは、「飲食業を、働きたい職業の中心にする」というものです。このビジョンを、僕は事あるごとにスタッフに語ります。採用面談でも、月例のミーティングでも、ちょっとした日常会話の中でも。

なぜそこまでするのか。理由はシンプルで、「なぜ自分はここで働いているのか」が腹落ちしているスタッフは、自分で考えて動けるようになるからです。

マニュアル通りにしか動けないスタッフと、理念を自分のものにしているスタッフでは、お客様への接し方がまったく違う。マニュアルに書いていない場面でも、「KABUWAKEのスタッフとして、自分はどうするべきか」を自分で判断できる。その差は、お店の現場では本当に大きい。

理念は、採用の段階から正直に語る

僕が理念を語るのは、既存のスタッフに対してだけではありません。採用の段階から、包み隠さず伝えるようにしています。

「うちはこういう会社で、こういうことを目指している。しんどいこともあるし、楽しいこともある。でも、ここで働くことであなたにこういう人間になってほしい。」——そういうことを、最初からきちんと話す。

これをやると、当然「うちには合わない」と思って来ない人も出てきます。でもそれでいい。理念に共感して入ってきたスタッフは、少しくらい大変なことがあっても、簡単には折れない。「なんでこんなしんどい仕事を」ではなく、「この目標のために、今ここを乗り越えよう」と考えられる。根っこが、違うんです。

売上は、理念の「結果」として追いかける

誤解してほしくないのは、売上を軽視しているわけではない、ということです。むしろ逆で、繁盛するお店を作り、しっかり利益を出して、従業員に還元していく——これは、KABUWAKEの経営においてとても重要な柱です。

ただ、売上はあくまで「結果」だと思っています。理念に共感したスタッフが、お客様に本気で向き合って、自分たちのお店に誇りを持って働く。その積み重ねが、お客様の笑顔につながり、リピートにつながり、数字として出てくる。順番が大事なんです。

先に理念があって、後から数字がついてくる。この順番を守ることが、長く続く組織を作るうえで欠かせないと、僕は信じています。

「理念なんて綺麗事」と言われても、僕は語り続ける

たまに、「理念とかビジョンとか、所詮は綺麗事でしょ」という声を聞きます。気持ちは分かります。現場は忙しく、毎日何かしらトラブルが起きる。そんな中で「飲食業を働きたい職業の中心に」なんて言われても、ピンとこない日もあるでしょう。

それでも、僕は語り続けます。なぜなら、理念を語り続けた先に、冒頭に書いたような「韓国からお母さんと食べに来ます」という言葉が生まれてくるからです。数字の目標を達成したときとは、まったく違う種類の感動が、そこにはある。

人が動くのは、最終的には感情です。「この会社で働いてよかった」「ここで成長できた」「仲間のために頑張りたい」——そういう感情を動かすのは、売上目標じゃない。理念であり、想いであり、あなたはこうなってほしいというメッセージです。

KABUWAKEのお店に来てほしい理由も、同じです

この話は、スタッフへの向き合い方だけじゃなく、お客様にも通じると思っています。価格が安いから来る、近くにあるから来る——そういう理由だけで選ばれるお店は、もっと安い店ができたら終わりです。

「ここのスタッフが好きだから」「このお店の雰囲気が好きだから」「なんか、来るたびに元気になれる気がするから」——そういう理由で選ばれるお店を、僕たちは作りたい。それもまた、理念が現場に根づいたときにしか生まれない、お店の空気だと思っています。

だから、ぜひ一度、KABUWAKEのお店に足を運んでみてください。数字より先に理念を語るチームが作る、その空気を感じてもらえたら、こんなに嬉しいことはありません。

株式会社KABUWAKE
代表取締役 高井 律明