こんにちは。株式会社KABUWAKE代表の高井律明です。今日は、少し抽象的な話をさせてください。「沈黙」の話です。飲食店の代表がなぜそんなことを語るのか、と思うかもしれませんが、これは僕にとって、ブランドの根っこに関わる大切な話なんです。
ブランディングの失敗は、たいてい「言いすぎ」から始まる
お店を運営していると、発信したいことが山ほど出てきます。新メニュー、イベント、スタッフの紹介、想い——全部伝えたくなる。僕もそうでした。でも、あるとき気づいたんです。「言いすぎているお店ほど、何屋かわからなくなる」ということに。情報を詰め込めば詰め込むほど、お客様の頭の中に残るものが、どんどん薄くなっていく。発信が多いのに、なぜか印象が残らない。その正体は、沈黙の欠如でした。
「言わないこと」が、ブランドをつくる
ブランドというのは、何を言うかよりも、何を言わないかで決まる部分が大きいと、いまは思っています。たとえば、僕たちが大切にしている「人が育ち、輝く場所」というVISIONは、毎回の投稿で叫ぶものじゃない。でも、スタッフの成長を静かに伝える一言や、日々の現場の温度感の中に、じわりと滲み出るものであってほしい。それが積み重なって、はじめて「この会社らしさ」になる。言葉を絞るから、残る言葉が光るんです。
言葉を選ぶ、ということ
これは、飲食店の現場でも同じです。お客様に対して、スタッフに対して——言葉を選ぶことは、相手への敬意そのものだと思っています。たくさん話せばいいわけじゃない。むしろ、一言だけ、本当に必要なことを、ちゃんと届ける。それができる人間が、お店の空気をつくります。そしてその空気が、そのまま「うちのお店らしさ」になっていく。
沈黙は、弱さじゃなく、覚悟だと思う
何でも発信できる時代だからこそ、「あえて言わない」選択には覚悟がいります。言いたいことを飲み込んで、本当に伝えたいことだけを残す。その繰り返しが、ブランドをつくると気づいてから、僕は発信のたびに少し立ち止まるようにしています。これを伝える必要があるか。この言葉は、本当にうちらしいか、と。
言葉は多ければいいものじゃない。選んだ言葉だけが、人の記憶に残る。これからも、そう信じて言葉と向き合っていきます。
株式会社KABUWAKE
代表取締役 高井 律明