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飲食店に「物語」を持たせる理由|料理だけでは伝わらない、ブランドの核心

代表・メンバーブログ高井 律明

こんにちは。株式会社KABUWAKE代表の高井律明です。今日は、僕がお店を作るときに必ず考えていること——「物語」についての話をさせてください。

飲食店のブランディングで、料理だけでは足りない理由

おいしい料理を出す。清潔な空間を作る。接客を丁寧にする。これは当然やらなければいけないことです。でも、それだけでは「また来たい店」にはなれない時代になっていると、僕は感じています。

街を歩けば、飲食店はいくらでもあります。グルメサイトを開けば、似たようなコンセプトのお店が無数に並んでいる。その中で「なぜあなたの店に行くのか」という理由を、お客様に持ってもらえるかどうか。これが、飲食店のブランディングにおいて、いま一番大事なことだと思っています。

「物語」があると、お客様との関係が変わる

たとえば、同じ唐揚げでも「このお母さんが子どもたちのために30年作り続けてきたレシピ」と聞けば、一口食べた瞬間の受け取り方がまったく変わります。料理の味は同じでも、背景にある文脈が加わることで、価値が何倍にもなる。

これが「物語」の力です。

物語があると、お客様はそのお店のファンになります。ファンになった人は、友達に話してくれます。SNSでシェアしてくれます。何より、価格や立地の比較をやめて、「あの店に行きたい」という指名で来てくれるようになる。これがブランドの核心だと、僕は思っています。

KABUWAKEが物語にこだわる、もうひとつの理由

もちろん、ビジネス的な合理性だけが理由ではありません。もっと根っこの話をすると、僕は「お店という場所が、誰かの人生の一部になってほしい」と思っているんです。

以前、このブログに書いたことがあります。韓国から留学していたスタッフが帰国するとき、「お母さんと食べに来ます」と言ってくれた話。あの言葉が、僕にとっては何よりの答えでした。料理だけでなく、その場所で過ごした時間、人との出会い、感情——そういうものがまるごと「あの店の記憶」になっている。

それが、物語です。

物語は、後付けではなく「最初から設計する」もの

よく勘違いされるのですが、物語は「お店が軌道に乗ってから考えるもの」ではありません。最初から設計するものです。

このお店は、誰のためにあるのか。何を解決したくて作ったのか。どんな感情をお客様に持って帰ってもらいたいのか。

この問いに答えられないまま開業してしまうと、どれだけ料理がおいしくても、内装がきれいでも、「なんとなく良かったお店」で終わってしまいます。記憶に残らない。指名されない。ブランドにならない。

だから僕は、お店を作るとき、料理や空間と同じくらい——いや、それ以上に「物語の設計」に時間をかけます。

物語は、スタッフにも伝わる

もうひとつ、物語を持つことの大切な副産物があります。それは、働くスタッフへの影響です。

「なんのために、このお店はあるのか」が言葉にされていると、スタッフは自分の仕事に意味を見出しやすくなります。ただ料理を運ぶのではなく、「お客様の大切な一日の一部を作っている」という感覚が生まれる。その感覚が、接客の質を上げ、お店全体の空気を変えていきます。

飲食業を「働きたい職業の中心にする」という僕たちのVISIONも、実はこことつながっています。物語のある仕事は、誇りを持てる仕事になる。誇りを持てる仕事は、人を育てる。

あなたのお店に、物語はありますか

今日伝えたかったことをひと言でまとめると、こうなります。

料理はお客様に「おいしい」と言わせる。でも、物語がお客様を「また来たい」と思わせる。

もしいま、集客に悩んでいたり、リピーターが増えないと感じているなら、一度だけ立ち止まって考えてみてください。あなたのお店の物語は、お客様に届いていますか?

これからも、このブログでは飲食店のブランディングや経営について、僕自身の言葉で書いていきます。引き続きよろしくお願いします。

株式会社KABUWAKE
代表取締役 高井 律明