KABUWAKE INC.

Blog

「いい店」より「いい会社」を目指すと決めた日|僕の経営観が変わった転換点

代表・メンバーブログ高井 律明

こんにちは。株式会社KABUWAKE代表の高井律明です。今日は、僕の経営観が根本から変わった、ある転換点の話をさせてください。「いい店を作りたい」から「いい会社を作りたい」へ——この言葉の違い、一見小さいようで、僕にとっては全然違う話でした。

最初の目標は、とにかく「いい店」を作ることだった

創業当初、僕の頭の中にあったのは「繁盛店を作る」ことだけでした。お客様に喜んでもらえるお店。また来たいと思ってもらえる空間。料理、雰囲気、サービス——すべてをお客様に向けて磨いていくことが、経営者としての仕事だと思っていました。

スタッフのことも、もちろん大事にしていました。でも正直に言うと、当時の僕の中では「スタッフはお店を良くするための手段」という感覚が、どこかにあったと思います。いい店を作るために、いいスタッフが必要。その順番でした。

あるスタッフの「一言」が、僕の順番をひっくり返した

転換点は、ある社員との何気ない会話でした。仕事の話をしていたとき、その子がぽつりとこぼしたんです。「この会社、長く働けるか不安で……」と。

その言葉が、頭から離れませんでした。お店の評判は上がっていた。お客様の反応も悪くなかった。なのに、一緒に働いている人間がこの会社の将来に不安を抱えている。

僕はそこで初めて、「いい店を作ること」と「いい会社を作ること」は、まったく別の話だと気づいたんです。

「いい店」は、お客様が評価する。「いい会社」は、スタッフが評価する

考えてみれば当たり前のことでした。いい店かどうかを決めるのは、お客様です。でも、いい会社かどうかを決めるのは、そこで働くスタッフです。

スタッフが「ここで働いていてよかった」「この会社のおかげで自分は成長できた」と思える会社にならない限り、どれだけお客様に愛されるお店を作っても、それは砂の上に積み上げるようなものだと気づきました。スタッフが誇れない会社が、長く続くわけがない。

だから僕は、優先順位を変えることにしました。まず「いい会社」を作る。その結果として「いい店」ができる。この順番に。

経営の軸を「人」に置き直した日から、何かが変わった

軸を変えてから、意思決定のやり方が変わりました。新しい取り組みを始めるとき、「これはお客様に喜ばれるか?」と同時に、「これはスタッフにとって誇れる仕事になるか?」を必ず問うようになりました。

待遇の改善、教育への投資、働く環境を整える仕組みづくり——どれも、すぐに売上に直結するものではありません。でも、これらをひとつひとつ積み上げていくことが、KABUWAKEというブランドの本当の土台になると信じています。

当社が掲げるVISION「飲食業を、働きたい職業の中心にする」は、まさにここから来ています。飲食業のイメージを変えるためには、まず自分たちの会社の中から変えていくしかない。それだけです。

「いい会社」を目指すことは、遠回りじゃない

正直、スタッフへの投資は、すぐには数字に出ません。それが経営者としてしんどいところです。でも、一人のスタッフがこの会社で育ち、誇りを持って働き、「KABUWAKEで働いてよかった」と言ってくれたとき——その積み重ねが、お客様から愛されるお店にも、長く続く会社にもなっていく。そう確信しています。

「いい店」より「いい会社」を目指すと決めた日。あの転換点がなければ、今のKABUWAKEはなかったと思います。これからも、その軸をぶらさずに進んでいきます。

株式会社KABUWAKE
代表取締役 高井 律明