こんにちは。株式会社KABUWAKE代表の高井律明です。今日は少し、自分の話をさせてください。経営をしていると、「どうしてそんなにブレないんですか」と聞かれることがあります。でも正直に言うと、今の軸は最初からあったわけじゃない。何度も負けて、恥をかいて、それでやっと見えてきたものです。
失敗と経営哲学|最初の僕は、完全に舐めていた
創業当初の僕は、とにかく自信過剰でした。「なんとかなるでしょ」という根拠のない楽観論で動いていた。でも当然、現実はそんなに甘くない。お客様が来ない日が続いて、スタッフとうまくいかない時期があって、数字が読めなくて焦って——気づいたら、自分でも何をしたいのか分からなくなっていました。
あの時期は、正直しんどかった。でも今思えば、あの「負け」がなければ、僕はずっと自分の思い込みの中で経営し続けていたと思います。
ブレない軸は、うまくいった経験じゃなく「負けた経験」からできる
失敗を重ねるうちに、気づいたことがあります。うまくいっているときって、実は何も考えていないんです。流れに乗っているだけで、自分の意志じゃない。でも、負けたとき——思い通りにいかなかったとき——人は初めて「自分は本当は何がしたいのか」を問い直します。
軸って、そこでしか見つからないと思う。
僕が「飲食で働く人の待遇を上げたい」「この業界を憧れられる場所にしたい」という想いを本気で持てるようになったのも、スタッフが悔しい思いをする場面を目の当たりにして、自分が何もできなかった経験があるからです。あの無力感が、今の経営哲学の根っこにある。
失敗から学ぶために、僕が意識していること
負けた経験を「糧にできる人」と「ただ引きずる人」の差は、何だと思いますか。僕が思うに、それは「なぜ負けたのか」を感情ではなく事実として見られるかどうかです。
- 何が足りなかったのか
- 自分のどの判断が間違っていたのか
- 次に同じ場面が来たら、何を変えるのか
この問いを、感情が落ち着いてから必ずやるようにしました。腹が立っているときや、落ち込んでいるときは絶対にやらない。それだけで、失敗の「質」が変わります。
負けを知っているから、仲間に本気で向き合える
今、スタッフが壁にぶつかっているとき、僕は割と冷静に話を聞けます。それは、自分も同じ場所で転んだことがあるからです。あの経験がなければ、きっと「なんでできないんや」と怒るだけの上司になっていたと思う。
負けた経験は、恥ずかしいことじゃない。むしろ、それを持っているかどうかが、経営者としての深さを決めると、僕は本気でそう思っています。
これからも転ぶことはあるでしょう。でも、そのたびに軸を確かめながら、前に進んでいきます。
株式会社KABUWAKE
代表取締役 高井 律明