こんにちは。株式会社KABUWAKE代表の高井律明です。今日は、あまり人に話してこなかったことを書こうと思います。「失敗の話」です。
経営の原点は、恥ずかしい「負け」だった
僕には、今でも思い出すと胸が痛くなる失敗があります。創業してしばらくの頃、「売れそうなものを出せば人は来る」と本気で思っていました。流行っているメニューを真似て、目立つ看板を作って、SNSで映える写真を撮って。要するに、「よそがうまくいっているやり方」をかき集めて、自分のお店に貼り付けていたんです。
結果は、散々でした。お客様は来ない。スタッフのモチベーションも上がらない。売上はじわじわ落ちていく。何より、自分でも「このお店、何がしたいんやろ」と思うようになっていた。これが、僕にとって一番怖かったことでした。
「誰かの真似」は、ブランドを殺す
その経験で気づいたのは、ブランドというのは「何をするか」ではなく「なぜするか」から生まれる、ということです。よそのやり方をコピーしても、「なぜ」の部分は絶対についてこない。だから薄い。お客様はその薄さを、言葉にはしなくても、ちゃんと感じ取るんです。
負けてはじめて、僕はそれが分かりました。
失敗を正直に見つめたとき、軸が生まれた
あの頃の失敗を、ごまかさずにちゃんと見つめ直したとき、ようやく「自分が本当にやりたいことは何か」を考えるようになりました。飲食業のイメージを変えたい。ここで働くスタッフに、誇りを持ってもらいたい。その想いだけは、ずっと自分の中にあった。ブランドの軸は、そこにしかなかったんです。
それからは、ブレなくなりました。何か判断に迷ったとき、「これは自分たちの『なぜ』に沿っているか」を問えばいい。そのシンプルな基準が、あの「負け」から生まれました。
失敗は、恥じゃない。隠すほうが怖い
経営をしていると、失敗を隠したくなる瞬間があります。でも僕は、それをしないようにしています。失敗を隠すと、失敗から学べない。学べないと、また同じところで転ぶ。それを繰り返していたら、ブランドどころか会社そのものが薄くなっていく、と思うからです。
「負けた経験」は、僕にとって一番信頼できる教科書です。これからも転ぶことはあると思います。でもそのたびに、ちゃんと正面から向き合って、軸をもう一度確かめて、前に進んでいきます。
株式会社KABUWAKE
代表取締役 高井 律明