こんにちは。株式会社KABUWAKE代表の高井律明です。今日は、ブランドの話をさせてください。といっても、ロゴのデザインとか、のれんの色とか、そういう話じゃありません。むしろ、そこにたどり着くずっと手前の話です。
ブランディングで「見た目」より先に決めるべきこと
お店を作るとき、多くの人がまずロゴを考えたり、屋号をどうするか悩んだりします。僕も最初の店のときはそうでした。フォントはどれにしようか、のれんは何色がいいか——そういうことを一生懸命考えていた。
でも、あるとき気づいたんです。「見た目」は、中身が決まってから決めるものだ、と。
「どんな店か」より先に「なぜやるのか」を決めた
僕が最初に決めたのは、「このお店は何のためにあるのか」ということでした。どんな料理を出すか、どんな内装にするか、ではなく。もっとシンプルに、なぜこのお店が存在するのか、という問いです。
KABUWAKEという会社のVISIONは、「飲食業を、働きたい職業の中心にする」です。これが決まっているから、お店のひとつひとつの判断に迷いがなくなる。のれんの色も、屋号の響きも、スタッフへの言葉も、すべてがそこから逆算できる。
ブランドって、デザインじゃないと思っています。お客様やスタッフが、そのお店に触れたときに感じる「印象の総体」です。だとすれば、いちばん土台にあるのは、理念であり、目的であり、覚悟のはずです。
「らしさ」は、つくるものじゃなくにじみ出るもの
ロゴをかっこよくすれば、ブランドができるわけじゃない。のれんを高級感のある素材にしたって、中で働くスタッフの言葉や表情が「らしくなければ」、お客様には伝わりません。
逆に、目的と覚悟がはっきりしていれば、自然と「らしさ」はにじみ出てくる。スタッフの動き方も、メニューの作り方も、SNSの発信も、ぜんぶが一本の線でつながっていく感覚があります。
だから僕は今後も、新しいお店や新しいブランドを作るとき、デザインより先に「なぜ」を問い続けていきます。地味な作業ですが、ここが揺らぐと、あとから必ずどこかでひずみが出てくるんです。
見た目は、最後の「翻訳」でしかない
のれんもロゴも屋号も、大切です。お客様が最初に目にするものだから、疎かにはできません。でも僕の中では、それらはあくまで「翻訳」です。決まった理念や目的を、目に見える形に翻訳したものが、デザインだと思っています。
翻訳は、原文が明確であればあるほど、きれいに仕上がる。そういうことだと思っています。
株式会社KABUWAKE
代表取締役 高井 律明